この二つの理念を黄金比である1:1.618を用いて表現しました。
黄金比とは短辺1長辺1.618の長方形であり、その中に1辺1の正方形を描くと残りの長方形は再び黄金比となります。又、分割された正方形の2点を弧を描き結んで現れる螺旋はオウム貝の殻の形状に酷似している様に、生物の成長過程や個体比にも深く関っています。デザイン界においても歴史的建造物・日本庭園のゾーニングから優れた美術品・絵画・名刺や郵便葉書を始めとする日用品に至るまで採用され、古代より人々の美意識と密接な関係が有り、偶然の域を越えた美しさと合理性をもつ神聖比率とも呼ばれています。
今回のマークは黄金比の中にある正方形と黄金矩形の関係を取り入れた分割線の交差により「吉田」を表現しました。
デザインするにあたり、主観的な要素は一切排除し、シンプルな作業の繰り返しにより必然的に現れた要素をマークとする事にしました。
洗練された印鑑により捺印されたかの様なこのマークがベースとなり社名の漢字表記の場合に用いられます。
又、社名のアルファベット表記に用いられるマークは、ベースのマークから部分的に要素を排除してもなお残る必然的な形であり、一切の無駄が有りません。
視覚的にも射出成形機を思わせそれ単体で充分に「射出成形の吉田製作所」を主張しています。
今回のデザインコンセプトであります「必然性」と「普遍性」には一時の時代の風潮や主観的な美意識とは異なり意識の根幹に宿る力強さと洗練された美しさが有ります。
この理念は様々な企業からの要求を受け入れ、本質を見極める一貫した吉田製作所の企業理念と合致します。